体外衝撃波治療
体外衝撃波治療とは
衝撃波とは、音速を超えて伝わる圧力波のことです。
衝撃波を皮膚の上から幹部に照射する方法で痛みを感じとる神経を変性させたり、新生血管の再生を促すことで慢性的な痛みを軽減する治療です。
体外衝撃波装置内に水を蓄えており、水の中で衝撃波を発生させ体内に照射します。
その際、水分を多く含む筋肉と脂肪は通過し、硬い腱付着部、腱の変性部分、骨に当たると、衝撃波が屈折・反射しエネルギーが放出されるため、体内深くにある患部のみピンポイントに当てることが可能になる治療法です。
日本国内外での学会や論文において、60~80%程度の有効性が証明されています。
全国で導入が進んでおりますが、大阪市エリアではまだ数台しか導入されていません。
この体外衝撃波治療法ですが、元々は腎臓結石や尿管結石など体内にできた結石に照射することで、切開などの外科的手術を行わずに結石を破砕できる治療方法として、主に利用されてきた歴史があります。
最近海外ではこの体外衝撃波治療を、低出力の衝撃波として利用することで、足底腱膜炎・テニス肘・ゴルフ肘など多くの疼痛性疾患の除痛を目的とした治療に応用するようになった、整形外科領域では新しい治療法になります。
なぜ、体外衝撃波治療で疼痛が軽減されるのか
<短期的な除痛効果>
1.痛みを誘発している自由神経終末を減少させます。
2.痛みに関わる神経内の伝達物質(CGRP、Substance-P)を減少させ、神経中枢への痛みの伝導を抑制します。
<長期的な除痛効果・組織修復作用>
1.血管新生、コラーゲン産生をうながす成長因子を産生する効果があり、腱付着部における血管の新生を誘導し組織修復を促します。
2.疼痛伝達物質(照射後のCollagen産生の亢進による腱の再生・照射によるTGF-β、IGFの産生亢進による腱の再生)を減少させる効果があるため。
3.炎症の原因となっているMMPやILなどのサイトカインと言われる物質の発現が抑制されることも報告されています。
※一般的に2~3回の繰り返し治療で効果が確認されています。
※体外衝撃波による治療は完全なる除痛を保証するものではありません。また、患者様により治療効果や治療期間が異なりますが、治療効果は、60~80%と報告されています。
体外衝撃波治療の適応
慢性的な腱障害(腱付着部炎・腱炎)
・足底腱膜炎
・アキレス腱炎
・アキレス腱付着部炎
・上腕骨内側上顆・外側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)
・石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)、腱板炎
・膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
・大転子部痛
骨修復機能異常(骨折・軟骨損傷)
・疲労骨折
・偽関節
・骨折の遷延治癒
・早期の骨壊死
・早期の離断性骨軟骨炎
その他、国内・国外の学会、研究会等では、小児骨端症(オスグッド病、シーバー病など)、ばね指、各種腱鞘炎、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントなどにも有効であると報告されています。 これらのうち、日本国内で保険適応として認可を受けているのは足底腱膜炎です。 その他の疾患は予約診療での治療となります。
副作用やリスクについて
腫れ/発赤/内出血/湿疹/治療中及び治療後の痛み/感覚異常などの神経障害
※基本的に副作用はありませんが、上記のことが起こる可能性があります。
いずれも数時間~数日で軽快します。
体外衝撃波治療をご希望の方へ
リハビリなどで通院中の方は、理学療法士又は医師にご相談ください。
初診・再初診で当院へいらっしゃる方は、医師の診察を受けていただき、治療が適応になるか判断させていただきます。
完全予約制となりますので、診察時に予約をお願いします。
体外衝撃波疼痛装置
体外衝撃波疼痛装置には、収束型と拡散型があります。
当院では、収束型・拡散型の各種の体外衝撃波疼痛装置を導入しています。
収束型
収束型は、収束した範囲にエネルギーを与えるため、治療範囲はピンポイントになりますが、患部のみに対してエネルギー強度を高く照射することが可能(治療効果が高い)なのが特徴です。
例えば、腱付着部炎では、拡散型も有効ですが、収束型の方がエネルギー強度を10倍以上強くすることができ、より治療効果を高めることが可能です。
拡散型
拡散型は、一度に広い範囲に治療が可能です。
拡散型は、収束型と違い、皮膚表面からエネルギーが放出され、筋肉や脂肪にも圧力が掛かります。
そのため、慢性腰痛などの筋・筋膜疼痛症候群やタイトネスの改善など、筋・筋膜の施術により有効的なのが特徴です。
海外の文献では、付着部炎の炎症・変性部位に対して収束型を使用し、拡散型で周辺の筋肉をほぐす、という様な使い分けをされています。
収束型と拡散型の違い
体外衝撃波疼痛装置には、収束型と拡散型があります。
当院では、収束型・拡散型の各種の体外衝撃波疼痛装置を導入しています。
収束型は、収束した範囲にエネルギーを与えるため、治療範囲はピンポイントになりますが、患部のみに対して、エネルギー強度を高く照射することが可能(治療効果が高い)なのが特徴です。
例えば、腱付着部炎では、拡散型も有効ですが、収束型の方がエネルギー強度を10倍以上強くすることができ、より治療効果を高めることが可能です。
一方、拡散型は、一度に広い範囲に治療が可能です。
拡散型は、収束型と違い、皮膚表面からエネルギーが放出され、筋肉や脂肪にも圧力が掛かります。
そのため、慢性腰痛などの筋・筋膜疼痛症候群やタイトネスの改善等、筋・筋膜の施術により有効的なのが特徴です。
海外の文献では、付着部炎の炎症・変性部位に対して収束型を使用し、拡散型で周辺の筋肉をほぐす、という様な使い分けをされています。
※推奨症例
ISMST(国際衝撃波治療学会)推奨症例より
・収束型
腱付着部症、偽関節・疲労骨折、離断整骨軟骨炎、石灰沈着物質、深いトリガーポイント
・拡散型
腱付着部症、筋タイトネスの改善、肉離れ(瘢痕組織)、トリガーポイント、幅広いエリアの治療(腱付着部炎含む)
ご質問と回答
衝撃波とは何ですか?
衝撃波とは高出力の音波です。
医療の領域では、衝撃波は1980年台から腎結石を破砕する為に使用されました。
現代の疼痛治療においては、結石破砕装置の約10分の1の出力が使用されています。
衝撃波は痛みの部位に照射され、そこに治療効果を生じさせます。
治療に痛みは伴いますか?
治療中は痛みを伴います。
我慢できる範囲で出力を上げていきます。
低レベルでの照射に耐えられない方は、途中で治療を中断する場合があります。
治療回数は何回ですか?
一般的には2~3回の繰り返し治療で治療効果が確認されています。
治療効果はどのくらいですか?
体外衝撃波による治療は、完全なる除痛を保証するものではありません。