症状別診断

こんな症状はありませんか?

肩が凝る

筋肉から

仕事や勉強などで同じ姿勢を長時間続けていれば、頚部や肩の筋肉が疲れます。
その結果、筋肉内は酸素欠乏状態になり乳酸などがたまりやすくなり、自覚的に凝りや痛みを感じるようになります。

頚椎から

頚部から手指にかけて、シビレや痛み、だるさなどがあります。
これらの症状を伴い頚部の痛みや凝りも自覚されます。
肩凝り感が強い状態であると、頚椎の椎間孔を通る神経根が圧迫されやすい状態になるので、症状はより強くなります。

肩甲帯不安定症

動揺肩などの肩関節不安定性が強い状態では、肩甲骨自体の不安定性がより強い状態であることが多く、肩凝り症状の増強が認められます。
女性に多い傾向で、中学生・高校生なのに肩凝り症状が強い場合には、鑑別する必要があります。

肩が痛い・挙がりにくい

五十肩

40歳代以後によく発生し、肩関節が徐々に痛くなり可動域制限が発症する疾患です。
安静にしても痛みは強く、夜間痛があるのが特徴です。
肩関節の周囲組織の炎症、肩の関節をとりまく腱(腱板)の炎症がおこる状態で腱板とその周囲の炎症が進み、癒着をおこし、滑りが悪くなり関節の動きが悪くなります。

関節注射や肩甲上神経ブロックで除痛を行いながら、温熱治療などの物理療法を併用して理学療法を行います。
一般的に時間経過とともに治るといわれていますが、腱板不全断裂などの合併もあり鑑別が必要です。
純粋な五十肩でない場合は自然経過にてはなかなか良くなりません。

こんな症状が続いていませんか?

・ 原因がないのに肩の痛み(鈍痛)が続いている。

・ 肩が上がらない。

・ 肩を動かしたときに強い痛みがある。ひっかかりの症状がある。

・ 寝ているときに鈍痛がある、目が覚めた時に肩の痛みがある。布団を引き上げることも困難である。

・ 衣服の着替えが行いづらく、特に汗のついたシャツを脱ぐのが困難である。

・ 背中に手が回らない。かゆいところまで手が届かない。エプロンが結びにくい。

腱板断裂

肩関節を構成している腱板が、ケガや加齢により断裂し痛みを発生します。
急性期においては断裂部位の痛みが認められますが、時間の経過とともに腱板断裂における断端部のひっかかりなどのインピンジメント症状が残存しやすいです。
よく五十肩として加療されていますが、五十肩とは全く病態が異なる疾患です。
症状経過にて腱板機能の低下が出現し病状に影響を及ぼしてきます。
一旦断裂した腱は自然に治ることは通常ありませんが、痛みや肩の動作において日常生活レベルには問題のない状態である無症候性腱板断裂にすることは概ね可能ですので、関節注射やリハビリテーションなどの保存治療を試みて痛みと機能の回復を目指す事が重要です。

腱板断裂

肩関節拘縮

症状的には五十肩のより増悪した状態です。
肩の痛みや肩が上がらないなどの症状を生じ 徐々に、肩の動く範囲が狭くなっていくのが特徴です。
40~60才代に起こりやすく、男性より女性に多く認められます。全人口の約2%に発症するとされ糖尿病の患者様に発症しやすい側面があります。

病態の主な要因は関節包がぶ厚くなり、伸びにくくなることです。
周囲組織との癒着がおこり関節包や腱板周囲の滑動性が低下し、関節内の潤滑油の役割をする滑液が減少します。
肩関節拘縮では自力で動かすことが非常に困難になり、徐々に他人のちからを借りても肩を動かすことが困難になってきます。

理学療法による治療でもかなりのケースで難渋します。
関節注射やリハビリテーションなどの積極的治療で約90%が改善しますが長期の期間が必要となります。
エコーガイド下ブロック注射により、病変部位に確実に注射を行い、精度を上げています。

肩関節拘縮

肩鎖関節障害

肩鎖関節とは鎖骨と肩甲骨の肩峰からなる小さな関節で、関節内にはdiscという関節円板がありクッションの働きをしています。
肩鎖関節は肩関節を約90度以上挙上したときに、鎖骨に対して肩甲骨を回転・回旋させる役割を持っています。
また、肩の体表にある関節のため、転倒したときなどに肩鎖関節脱臼として直接傷めることが多いことや、ウェートトレーニングのバーベル動作などで痛みが持続することがあります。
診断とし肩鎖関節の動態的・機能的診断が必要です。
肩鎖関節内へのブロック注射や肩甲骨運動の改善などの理学療法などを行います。

肩が抜けそうである

反復性肩関節脱臼(亜脱臼)

肩関節が一度外傷性に脱臼し、整復したあとの固定期間が短いと非常に軽微な力で容易に外れてしまうことがあります。
肩関節は大きな上腕骨骨頭に対して受け皿である小さな肩甲骨関節窩からなる不安定な構造をしています。
上腕骨が受け皿から外れることを脱臼といい、外れかかるような状態になることが亜脱臼です。

また、上腕骨と肩甲骨関節窩の間は靱帯(中・下肩甲上腕靱帯)でつながっており、肩甲骨関節窩に周囲には関節唇が存在し肩関節の安定化に重要な働きをしています。
この靱帯や関節唇の一部が壊れていることが反復性肩関節脱臼の発生に関与しています。

一度脱臼すると骨頭を支える役割を持つ関節唇が肩甲骨関節窩から剥がれてしまいます。
関節唇は脱臼が整復された後も元どおりに治りにくいために再脱臼しやすくなります。

肩関節不安定症

野球の投球動作やバレーボールなどのオーバーヘッド動作は、肩関節の繰り返す外転・外旋動作で後天的に肩関節の前後不安定性を示すことがあります。

肩関節の外転・外旋位では上腕骨頭の肩甲骨関節窩に対して前方への不安定性が誘発され、その結果、肩関節前方の腱板疎部や中肩甲上腕靱帯の弛緩が発生し、2次的に後方の棘下筋腱損傷が発生して肩関節の前後不安定性がより惹起してくる状態
(Antero-Posterior-Instability-Translation)です。

動揺肩(スリッピング現象)

動揺肩という概念は日本で初めて定義づけられた疾患概念で、明らかな外傷による脱臼や亜脱臼がなく、肩関節が緩くゆるい現象をいいます。
国際的にはMDI(Multi-Directional-Instability)と呼ばれています。
似た状態の随意性脱臼という比較的若い女性に多く、自分で肩関節を外すことができる疾患がありますが別の疾患カテゴリーです。

症状は肩の凝りや肩甲骨・頚椎周囲の痛み・手のしびれなど、ご本人にしか分からないものがあり胸郭出口症候群と重なる部分があります。
詳細な肩関節の緩みや不安定性の評価が必要です。
肩甲骨の安定性や動きに問題のある方が多く、理学療法による肩甲帯の機能改善が勧められます。

動揺肩では関節の動きが良すぎる側面がある半面、病状の経過にて、結帯動作や3rd-内旋方向の制限が認められる事が多く症状が強い場合は関節造影検査でのJoint Distensionを行うことで症状の軽減が期待できます。

動揺肩(スリッピング現象)

手がシビレる

頚椎から

頚部痛や肩こりと思っている患者様の中にも、上腕から手指にかけての痛みやしびれを伴うことがあります。
これは頚椎の中を通る頚髄や神経根の症状が発生しているためです。
神経症状が出現する代表的疾患に頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症などがあります。

手根管症候群

手関節の手のひら側にある手根骨と靭帯に囲まれた手根管のなかで神経が圧迫を受けて、しびれや痛み、運動障害などを起こす疾患です。典型的症状として親指、人差し指、中指、薬指の中指側にしびれや痛みが発症します。
このしびれや痛みは夜間、特に明け方に増すのが特徴で手指や手関節の過度の使用、妊娠などが原因で、中年以降の女性に比較的多く起こります。

進行すると細かい作業が困難(巧緻運動障害)になります。
超音波検査にて神経(正中神経)の圧迫を確認します。
治療法はしびれや痛みが軽度の場合は、手首を安静に保つための装具を使用したり、ステロイド薬の注射を行います。

肘が痛い

テニス肘(外側上顆炎)

手関節の背屈動作や前腕回内位で前腕伸筋群に連続的に負荷が持続し、前腕伸筋腱の付着部である上腕骨外側上顆に炎症、時に腱の微細損傷をきたすものです。
医学的に筋腱付着部症(enthesopathy)と呼ばれています。
テニスのバックハンドにてよく発症することからテニス肘と呼ばれていますが、スポーツ以外でも仕事や家事などの負担増大でもおこる非常に多い疾患です。

治療法として軽症の場合は、入浴時に屈曲方向へのストレッチや前腕伸筋群へのマッサージをすることで対処します。
しかし、症状の持続がある場合は、注射や装具をつけたり超音波による筋腱付着部の治癒機転の促進などリハビリテーション療法を行います。
消炎、安静のみでは症状は繰り返し、ストレッチを含めた日常生活指導が必要です。

テニス肘(外側上顆炎)

腰が痛い

腰痛の原因

一般的に腰痛の原因として筋肉からの由来、椎間板からの由来、椎間関節からの由来、椎体からの由来の4つに分けると考えやすいと思われます。

  • 筋肉性
  • 椎間板性
  • 椎間関節性
  • 椎体性

筋肉から(筋・筋膜性腰痛症)

スポーツや肉体作業などの無理な体勢によって発症する筋膜や筋肉の損傷は、いわゆる肉ばなれです。
腰部においては腰部傍脊椎筋の損傷によって引き起こされる腰痛症です。
慢性の症状は、主にオーバーユースによる疲労や筋損傷の遷延治癒が原因で、適度な休養や運動や作業前後の十分なストレッチが必要です。

このオーバーユースによる症状として傍脊柱筋(背筋)の筋緊張が強く筋肉に沿った痛みが認められます。
下肢のシビレや筋力低下、知覚障害などの神経症状、レントゲンでみられるような骨の変化はありません。
最近では、超音波にて確認し、多裂筋や腹横筋などへのハイドロリリースによる治療も施行しています。

椎間関節性腰痛症(ぎっくり腰)

腰椎の上関節突起・下関節突起からなる椎間関節に由来する腰痛で、臀部痛や時には下肢のシビレや下肢痛を伴い腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別が必要です。
同一姿勢で症状は悪化し、軽く姿勢を変えるなどで軽減することもあります。
朝起床時に痛みを訴えることが多く、動いているうちに痛みは軽減傾向があります。
腰椎の後屈動作にて痛みが増強することが多いことも特徴です。

罹患関節近傍に圧痛が強く認められる特徴があります。
腰椎の椎間関節は、後方脊椎支持組織として働く潤滑関節であり、特に脊椎の運動時に可動性が大きくなり、後位屈を強制すると椎間関節が拡大し、関節包が緊張して内圧が亢進することが痛みの原因として考えられています。
椎間関節に様々な方向から力がかかり続けると、椎間関節の関節包の肥厚や弛緩が起こり、それらの一部が関節間に入り込んだりします。
さらに、椎間関節の滑膜炎や、関節軟骨の変形性変化により、主として腰背部傍脊柱筋に一致した激痛や筋硬直を発症して症状を悪化させます。

腰椎椎間板ヘルニア

クッションの役目をしている椎間板が圧力を受けることで椎間板内圧が上昇し、初めは腰痛がでて、その後罹患部位の下肢のシビレや痛みが出現してきます。
下肢にかけて電気が走るような激痛が出現することもあります。

30~40歳代の若年者に発症することが多いです。
腰痛よりも下肢のシビレや痛みなどの下肢症状が主となります。
治療方法としては消炎鎮痛薬などの内服やコルセットなどの装着、腰椎牽引などの理学療法、さらに症状が続く場合は硬膜外注射や神経根ブロック注射があります。

腰椎椎間板ヘルニア

骨粗鬆症

骨粗鬆症を基盤に脊椎椎体の圧迫骨折に起因するもので、身長の縮み、円背や亀背などを呈します。
背中が曲がることで現れる背骨の変形で、骨性の痛みがより発生しさらに次の圧迫骨折の原因となり悪循環をきたすこともあります。
胸背部痛は慢性に進行する椎体の微小骨折や骨組織の支持性の低下、脊柱変形に伴う腰背部筋群への負荷の増大の結果と考えられます。

いわゆる「いつのまにか骨折」です。
高齢者の腰痛は、骨粗鬆症による骨のもろさからくるものです。
圧迫骨折に由来するものが、約6割あるとの報告もあります。

骨粗鬆症

足(下肢)がシビれる・痛い

腰から:腰部脊柱管狭窄症

腰椎の内部の脊髄神経の通路である脊柱管が狭くなることにより、神経が圧迫される病態です。
加齢に伴い骨棘の形成や靱帯の肥厚など、脊柱管内の構築が変化することが原因です。
歩き始めは特に下肢のシビれや痛みなどの症状は強くないですが、しばらく歩くと痛みのため歩くことができなくなります。

しばらく休憩することで症状が緩和され、前屈位をとると症状が軽減されやすいです(間歇性跛行)。
神経を圧迫するような姿勢(後屈位)を避け、症状が出る前に休憩をとったり、杖や手押し車、コルセットを使う方法があります。

薬物療法では消炎鎮痛薬や血流改善薬があり、牽引治療や温熱慮法なども併用して症状を緩和させます。
痛みが強い場合は硬膜外注射や神経根ブロックが適応となります。

血行から(閉塞性動脈硬化症)

閉塞性動脈硬化症は、下肢の血管の動脈硬化が進み、血管が細くなったりつまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。
そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のシビレや痛み、冷たさが自覚されます。
さらに病状が進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。
下肢の筋肉は、運動をすることでの通常の10倍程度の血液量を必要としますが、動脈硬化になると血管が詰まって必要な血液量が不足します。

その結果、筋肉内に乳酸などがたまりそれを下肢の痛みとして感じます。
このような下肢の動脈硬化の症状では上り坂や階段を登る時に痛みが早く出る事が多いです。
当院では下肢の血流検査のスクリーニングとしてABI検査(Ankle Brachial Pressure Inde:足関節上腕血圧比)を行っています。

動脈の内膜にコレステロールなどの脂質が沈着し血管内膜が厚くなり、粥状硬化などができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度と血管の狭窄・閉塞などが推定できます。

血行から(閉塞性動脈硬化症)

膝が痛い

変形性膝関節症

膝関節の関節軟骨がすり減ったり骨の変形が生じたりする疾患です。
加齢に伴うもの(退行性)と膝関節周囲の骨折などのあとで発症するもの(外傷性)があります。
中年以降の女性や肥満の方に多く年齢とともに頻度は高くなります。

病状初期には歩行のはじめに痛みを自覚し、長時間や長距離の歩行、立ち仕事の後などに痛みがより増強し、歩行障害となって徐々に日常生活が制限されます。
膝の裏(膝窩部)の痛みが関節後方の関節包や膝周囲筋肉の拘縮により発生します。
関節内の炎症が発生すると関節水腫(水が貯まる)が起こることもあります。

治療は関節内にヒアルロン酸を注入したり、大腿四頭筋の筋力強化と膝関節後方のtightness除去のための理学療法を行います。
関節内にヒアルロン酸を注射することで、加齢にて減少したヒアルロン酸を補うことになり、関節の痛みや炎症を抑え関節内の滑動性を良くします。
また、膝の裏(膝窩部)の痛みに関しては、その部位を装甲する総腓骨神経の絞扼によることもあり、超音波検査にて確認できます。

変形性膝関節症

こんな症状が続いていませんか?

・膝周囲のこわばった感じがある

・膝の内側(うち側)に痛みがある

・歩きだす時や動きだす時に膝が痛い

・階段の昇り降りのとき、膝が痛い、特に降りるときに痛みをより感じる

・膝の痛みでなかなか寝つけない、または目が覚めてしまうことが多い

半月板損傷

膝(ひざ)に体重がかかる時や膝の曲げ伸ばしをした時に痛みが見られ、膝関節の動作時に「違和感がある」「ひっかかり感がある」「一定以上に曲げ伸ばしができない」といった可動域(動く範囲)の制限、可動域の減少が見られるのが特徴です。
あぐらの姿勢や和式トイレの時の姿勢など、膝関節を十分に曲げると痛みが増強することもしばしば認められます。

・スポーツなどで膝を強く捻ったり、激しく動かした時に、膝に強い痛みを感じ、それから痛みが続いている
・膝に引っかかったような痛みを感じる
・膝に力が入らない感じがする
・膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング症状)
・膝関節部がはれて膨らんでいる(関節腫脹・関節水腫)
症状が強い時は傷が入った半月板が何かの拍子に関節に挟まることで、膝の曲げ伸ばしができない「ロッキン現象」が起こります。
激痛で歩行困難になる場合もあります。

靭帯損傷

スポーツや交通事故などで膝に強い捻る力がかかったときに、靭帯が傷つき、裂けたりするものです。
明らかな損傷がなく軽度なものが「捻挫(ねんざ)」で、重度のものは靭帯が完全に切れてしまう「靭帯断裂」です。
膝関節には内側側副靭帯損傷、外側側副靭帯損傷、前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷があります。
靭帯損傷が起こるケースは接触型と非接触型の2つがあります。

接触型は他人とぶつかった時に膝関節に直接強い力が加わるもので、膝関節が通常は動かない方向に不自然に強制的に曲がったり、膝が伸びた状態から更に伸ばされる力が働いた時などに発生し、スポーツでのスライディングやラグビーのタックルなどで発症しやすいです。

非接触型は走っている状態から急にストップした時や、急に回旋や方向転換した際に膝を捻って受傷することが多いです。
スポーツで素早く体の向きを変える、急激な切り返し動作を続けるなど、膝に大きな「捻りの力」を加えることで損傷が起こります。特に膝が内側に入り、足先が外側を向いた状態が膝関節に捻りの力がかかり危険です。

シンスプリント

シンスプリントとは正式名称「脛骨疲労性骨膜炎(けいこつひろうせいこつまくえん)」と呼ばれる骨膜に炎症を発症することによって痛みを生じる障害の一種です。

ジャンプ動作の繰り返しやマラソンなどの長距離ランニングなどにより、ふくらはぎ内側の脛骨下1/3部分にかけて炎症を起こし、痛みが生じる特徴があり、慢性的な疲労の蓄積によって発症することからオーバーユース系の障害でもあります。
シンスプリントという障害は、発症してしまった場合でも、運動をある程度こなせる点が実はくせものです。
もしシンスプリントの症状があるような場合は、再発の可能性もあり、進展すると疲労骨折につながる疾患でもあるため十分に注意が必要です。

シンスプリント

足が痛い

足関節捻挫(外側側福靱帯損傷)

足関節捻挫はスポーツ現場ではしばしば発生する代表的疾患です。
しかし、足関節捻挫は肩関節の腱板損傷や膝関節の前十字靭帯損傷のように、選手生命を直接的に脅かす外傷ではないため軽視される傾向にあり、再発率も非常に高くなっています。
受傷機転として足関節を底屈して内側に捻った状態で、足の甲の外側に体重をかけた時に起こるのがほとんどのケースです。

子供の足関節捻挫

レントゲン検査などで異常がなくても、13~14才くらいまでの学生さんが足首を捻った場合は、靭帯損傷ではなく、剥離骨折や軟骨(骨端線)の損傷をしていることが多く、小学生ではほとんどが剥離骨折です。

検査で異常がないと放置されがちですが、将来的に骨片が増大し、痛みの残存や再捻挫に移行しやすいなど注意が必要です。
子供の場合は骨折部には軟骨成分が多いため、厳密に固定をしたとしてもなかなか完全に骨癒合することが難しい場合もあります。
レントゲン写真にて診断が確定できない時は、超音波検査にて骨軟骨骨片の確認を行います。

子供の足関節捻挫

外反母趾

外反母趾は足の親指の付け根の関節(MTP関節)が「くの字」のように小趾側に曲がり外側に出っ張り、先の細い靴を履いた時などに出っ張った部分が当たって痛みが出たり腫れたりします。
窮屈な履物を履く女性に発生しやすいです。

開帳足の関連で外反母趾の進行が発生します。
開張足とは足の横アーチの低下のために、足の指の付け根が広がる症状で外反母趾では親指が足の外側に回旋します。
病状の進行で親指や第2趾、第3趾の関節が脱臼して、親指と第2趾、第3趾が重なってしまうことがあります。

外反母趾

痛風

痛風とは高尿酸血症の状態で尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって強い関節炎を伴う疾患です。

足の親指の付け根の発作や痛みが多いですが、体温の低い部位に尿酸結晶が析出するためです。
高尿酸血症の状態を放置していると激しい関節の痛みや腫脹を繰り返したり、体のあちこちに痛風結節ができたり、腎機能が悪化するなどの全身疾患としての側面もあります。
痛風の罹患は20才以降の男性が多く、高尿酸血症は遺伝と環境の両方が関係します。

半数以上の人が高脂血症や高コレステロール結晶、糖尿病や心疾患、脳血管障害などの生活習慣病を合併しているといわれています。
痛風発作をこれらの疾患の危険信号ととらえて、きちんとした全身管理に取り組むことも大切です。

痛風

手が痛い・こわばる

関節リウマチ

関節リウマチは、比較的女性に多く30~50代の若い年代で発症することが多いです。
全身の関節に起こりますが、手指・手関節や膝関節などの関節を中心に痛みや腫脹が認められ、病気の本体は関節の中の「滑膜の炎症」が免疫反応の異常によって引き起こされるものです。

滑膜のある関節ならどこにでも起こる可能性がありますが、特に手指の第2関節(PIP関節)、第3関節(MP関節)や手首の関節が好発部位です。
また、足の指の付け根の関節(MTP関節)にも外反母趾に伴って多く認められ、病状の進行に伴い足趾の変形も起こりやすいです。

リウマチ発症後早期(1~2年から数年)に骨破壊が進行し、急性あるいは亜急性の炎症性疾患と認識されるようになっています。
病期の進行で関節を形成する骨、軟骨、腱などが破壊され、関節の動きが制限されたり変形したりします。
このような変化は不可逆性(一度起こると元に戻らない)で、日常生活に支障を生じるようになっていきます。
また、関節以外に肺などの内臓疾患を合併する全身疾患です。

関節リウマチ